明星食品は、従来から環境保全に向けた活動に取り組んできましたが、さまざまな環境問題が深刻化してきたことを受け、2009年に環境方針を策定し、活動を強化しました。また、2010年には環境マネジメントシステム(EMS)に関する国際規格である「ISO 14001」の統合認証を取得し、全社的な推進体制を整えるとともに、各事業所ごとに環境データを見える化しました。「製品から発生するゴミの再資源化」や「製品および製品に関わる廃棄物の適正な処置」「火災・大気汚染・騒音・振動・悪臭・水質汚染に対する法令順守」「工場で使用するエネルギーコストの削減」「省エネ型設備の導入」など、毎年目標を定めて活動に取り組んでいます。
さらに、2020年の日清食品グループ環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」を策定以降は、日清食品グループの一員として「資源有効活用へのチャレンジ」「気候変動問題へのチャレンジ」に沿った活動を推進しています。また、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として、地域に密着した「地域貢献活動」を本社、各営業拠点、研究所、工場において実施しています。
明星食品グループは、組織を取り巻く地域社会から地球規模に至る様々な環境問題を
明星食品グループの大きな課題と受け止めて社会に貢献する組織であるよう努力します。
1.環境関連の法規、規制、協定等の要求事項を遵守します。
2.グローバルな温暖化防止のために、エネルギー・資源の節約と有効活用をします。
3.環境保護のため、廃棄物を削減し、環境ルールに沿った分別をして、再資源化を推進します。
4.環境目的及び目標達成のための環境保全活動実施計画の策定と環境マネジメントシステムの継続的改善に取り組みます。
本環境方針は、全従業員に周知徹底すると共に、社外の要求に応じて公表します。
明星食品は、日清食品グループの一員として日清食品グループ環境戦略「 EARTH FOOD CHALLENGE 2030」(以下、EFC2030)に沿った取り組みを進めています。
「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」
海外における原材料の生産過程には、生産地周辺に与える環境負荷、児童労働、強制労働、劣悪な労働環境など、さまざまな問題が潜んでいます。明星食品を含む日清食品グループは、2007年5月に「グリーン調達基本方針」を制定して以降、環境に配慮された原材料の調達を推進しています。
また、製品の品質を保証するために、原材料から製品の製造、出荷に至るトレーサビリティ体制を構築しています。2017年9月には「日清食品グループ 持続可能な調達方針」を制定し、食の安全に加え、地球環境と人権を尊重し、合法的に生産された原材料の調達を進めていくことを掲げています。さらに、持続可能な調達の実現にはサプライヤーの協力も重要であることから、一次サプライヤーにも当社グループの調達方針を周知し、その内容を確認したことに対する署名を得ています。
「グリーン調達基本方針」「日清食品グループ 持続可能な調達方針」
EFC2030では「持続可能であると判断できるパーム油調達の比率を2030年度までにグループ全体で100%」にすることを目標として掲げ、できる限り早期に達成できるよう取り組んでいます。それに伴い、明星食品では「持続可能であると判断できるパーム油調達の比率を2025年度までに100%」にすることを目標としています。
日清食品グループの「持続可能な調達」
明星食品は、適切に管理された FSC®認証林、再生資源およびその他の管理された供給源からの原材料で作られた「FSC®認証紙」および生物由来の資源を利用した「バイオマスインキ」の使用を推進。
今後も 「FSC®認証紙」および「バイオマスインキ 」を使用した製品を、順次拡大していきます。
・「明星 中華三昧」(袋めん)の外装 を「FSC®認証紙 」に切り替え
・「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」の湯切りフタを「FSC®認証紙」 に切り替え
・「FSC®認証」を受けた製品用段ボールの使用を開始し、100%切り替え※を完了
※明星食品が製造・販売する国内流通向け即席めん・スープ製品に使用する製品用段ボールが対象です。
・「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」「明星 ぶぶか油そば」などのカップ焼そばの湯切りフタに「バイオマスインキ」を使用
パッケージに「FSC®認証紙」を使用している製品の一例
左:「バイオマスインキ」を使用して印刷した「FSC®認証紙」使用湯切りフタの一例。中央・右:「バイオマスインキ」「FSC®認証紙」使用湯切りフタを採用した製品の例
Forest Stewardship Council®の略(森林管理協議会)。
森林の適切な管理と持続可能な森林資源の利用と保全を図る制度。
バイオマスマークは生物由来の資源(バイオマス)を利用した商品に表示できる目印です。明星商品の湯切りフタでは、植物由来の資源を原料の一部に使用して製造したインキである「バイオマスインキ」を使用しています。
明星食品は、EFC2030に沿って、製造工程で発生する製品ロスの削減とリサイクルの促進、販売・流通段階で発生する廃棄物の削減に努めています。
例えば、賞味期限が迫った製品のフードバンクへの寄贈、丸大豆油揚げ製造時に発生するおからの乾燥処理による再利用などに取り組んでいます。なお、乾燥処理したおからは、キノコ栽培の培地や猫砂などに利用されています。
日清食品グループの「資源循環/廃棄物管理」
左:乾燥前のおから、右:乾燥後のおから
2021年4月から焼そば(レギュラーサイズ)製品の段ボールへの箱詰め方法を「オポジット方式※」に変更することで、段ボールサイズを縮小し、紙使用量を削減しました。2024年10月までの累計で約1,000 トンの紙使用量削減を実現しました。
※商品を天地交互に梱包する方法
上:サイズ縮小した段ボール、下:変更前の段ボール
明星食品は、EFC2030で定めた目標達成に向け、気候変動の要因となるCO2排出量の削減に取り組んでいます。これまでも本社、各営業拠点、研究所、工場、倉庫の照明のLED化、環境負荷低減効果が高い設備機器への切り替え、工場での木くず燃焼蒸気の利用など、省エネ活動に取り組んできました。
また、2023年2月からは神戸工場で太陽光パネルを利用した太陽光発電の自家消費を開始しました。
神戸工場の太陽光パネル
2023年6月からタテ型カップめん(レギュラーサイズ)製品の段ボールサイズを小さくし、1つのパレットに積載できる数を大幅に増やしました。 また、パレットのサイズもT11PL(110cm×110cm)からT12PL(100cm×120cm)に変更し、より多くのパレットをトラックに載せられるようにしました。 これらによって、製品の積載効率は約40%向上します。さらに、CO2排出量の削減や、ドライバーの作業負荷軽減による労働環境の改善にも寄与しています。
2024年7月から「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」に付属する「一平ちゃんオリジナルからしマヨネーズ」包材のアルミニウム使用量を削減しました。アルミ層の代わりにバリア性のあるフィルムを採用した「アルミレス包材」を導入することで、アルミニウムの使用量を年間約12トン削減※しています。 アルミニウムの製造には大量のエネルギーを必要とし、CO2を多く排出します。アルミレス包材の活用は、製造過程におけるCO2排出量の削減にもつながっています。
※「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」ブランド商品の2023年度出荷数量に基づく
「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」に付属する「一平ちゃんオリジナルからしマヨネーズ」。上:包材をアルミレス化したもの、下:従来品